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【感想】紺野天龍『魔法使いが多すぎる 名探偵倶楽部の童心』(講談社タイガ)

紺野天龍『魔法使いが多すぎる 名探偵倶楽部の童心』(講談社タイガ)の感想になります。

※ネタバレを少し含みます※

紺野天龍『魔法使いが多すぎる 名探偵倶楽部の童心』(講談社タイガ

<名探偵倶楽部>シリーズ連続刊行の二作目、殺人事件のトリックは魔法!?

あらすじ

人を不幸にしない名探偵を目指す大学生・志希が出会ったのは、自らを魔法使いと信じる女性だった。

依頼された事件は、師匠の死。
剣が宙を舞い首が落ちる事件で、獄炎使いも人形師も次々に犯行を自白するという異常事態を論理で解決せよ!

「探偵たるもの、依頼人を信じ抜くのです!」
魔法を信じる心に〈名探偵倶楽部〉の論理は届くのか。
青春の日々が蘇る、やさしいミステリ。

『魔法使いが多すぎる 名探偵倶楽部の童心』(紺野 天龍):講談社タイガ|講談社BOOK倶楽部 から引用 

本シリーズの肝となる「多重解決」、その様々な推理による論理と次々と出てくる真相のどんでん返しは本作も健在で、そこに「魔法」というエッセンスが加わることにより、更に登場人物たちの様々な思惑が絡み合い結末は本格ミステリとしてかなり面白いものになっておりました!

そしてシリーズ第二作目がこんなに早く、しかも文庫書き下ろしで読めるなんて嬉しい限りですね!

本作の謎を持ち込むのは聖川麻鈴という魔法を信じている同大学の女性だった。

そして、麻鈴の師匠が樽の中に閉じ込められ、宙に浮いた八本の剣によって串刺しとされ、更には首を持ち去られたという「魔法」としか考えられない不可解な事件の真相を暴いてほしいという。

そんな中孤児院で共に育った魔法使いの姉妹たちで様々な得意魔法を持った「獄炎使い」「人形師」などなどが自らが犯人であると名乗りをあげていき、自体は混迷を極めていく様子がとても展開として面白く。

また新たな多重解決モノとして仕上がっておりました。

新たに志希のバックボーンなども判明したり、また一歩白兎との関係性も進んだシリーズものとしての面白さもあったのが、個人的には良かったです。

「優しい結末」を追い求めた果てには、真実がある。

それぞれが追い求めた結末には、意外と伏線が張られてあり細かい部分で想像はできるものの、要所要所でどんでん返しがあり、驚きの連続があり、更には依頼人を不幸にしない」という信念を掲げた志希が紡ぎ出す推理が展開されて急転直下のスピードで物語がハッピーエンドに向かって行く展開がとても良かったです。

何より「魔法は存在した」という依頼人を不幸にしない結末を多重推理を以て大団円のような納得という形にする手腕が凄すぎるんですよね...評価ポイントとしてはとても高いと思います。

本格要素というより、多重推理特有の様々な推理が展開され、棄却されたり一部は本当だったりと某刀城シリーズとまではいかないまでも、本格派を装った変格派なジャンルと化している気もしますが、そんなことはお構いなしにジャンルに囚われないミステリとしての面白さは保証されているので、是非読んでみていただければと思います!

2025年発売の中でも、かなり面白い部類に入るのでオススメできます!

 

一作目の感想はこちらからどうぞ!

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