※ネタバレを少し含みます※
竹本健治『凶区の爪』(光文社文庫)
陰惨な言い伝えと猟奇的連続殺人が起こる地方の旧家
あらすじ
―十七歳で史上最年少の囲碁・本因坊となった牧場智久たちが、四条家に招かれた翌朝だった。
蔵の白壁に首なしのバラバラ死体が埋め込まれていたのだ。
さらに翌日、蔵の中に、狂女の面をかぶった長女・石蕗の惨殺死体が。
村に伝わる陰惨な言い伝えどおりに起きた連続殺人―鬼才が放つ、本格推理の力作。
凶区の爪 / 竹本 健治【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
から引用
『ゲーム三部作』で登場する主人公・牧場智久が探偵ポジションとなるコンビの相方が違うシリーズの1作目。意外にも本格と呼ばれるような横溝風の作品となっており、作者のイメージではなかったのですが地方の旧家に伝わる伝説や奇怪な因習が絡む舞台で猟奇連続殺人が起こる設定となっており、ある種ミステリ読みとしては慣れ親しんだ作風を感じることができました。
(※後書きを確認してみると出版社の要望との記載あり)
舞台設定や登場人物の関係や因縁・血縁、そして舞台装置として、仮面を被った日本刀が突き刺さった死体、壁に埋め込まれた首なしの死体などなど題材自体はワクワクするものを使用しているが故にそこから一歩抜きんでたものがないため、一昔前の作品だからか面白さに加点していない部分は仕方がない部分もありますかね...
ミステリというよりは、ミステリ風サスペンス?
惜しむらくはオチも犯人の自供スタイルで金田一的な物語構成を彷彿とさせて読んでいるうちに途中で犯人が分かってしまうほどに分かりやすい作品でミステリを楽しむというよりかはミステリ風サスペンスを楽しむとした方が心理的にも良さそうな気がしましたね。
後は探偵ポジションに当たる牧場智久の登場と活躍が最序盤と最終盤でしかなかったのも物語が淡々とサスペンス風味に進んでいるだけなのを感じさせて少し残念でしたね...
ただシリーズの次作もどういった雰囲気のお話になるのか気になるため、改めて読んでみてシリーズ全体でどうだったかを判断したいと思います!
