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【感想】柳広司『ジョーカー・ゲーム』(角川文庫)- 頭脳戦が光るスタイリッシュな大人気スパイミステリ

柳広司ジョーカー・ゲーム』(角川文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

柳広司ジョーカー・ゲーム』(角川文庫)

スパイ養成機関"D機関"を中心とした精鋭スパイの活躍が光る連作短編集

あらすじ

天才スパイたちによる決死の頭脳戦!!

”魔王”――結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校”D機関”。

その異能の精鋭達が緊迫の諜報戦を繰り広げる!

吉川英治文学新人賞日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイミステリ。

「ジョーカー・ゲーム」柳広司 [角川文庫] - KADOKAWA から引用

非常に面白かったです!読書初心者にもオススメしやすく、万人受けしそうな

スパイ小説とミステリー要素も兼ね備えており読み進む手が止まらなかったです。

吉川英治文学新人賞日本推理作家協会賞などの賞を受賞しているだけあって、

分かりやすく面白い部分が個人的にはとても評価が高いです。

 

ミステリによくある探偵が難事件を解決していくスタイルではなく、

寧ろスパイとして如何にバレずに目標を達成するかが本作の趣旨としては重要になって

おり、それが各短編にも出ていて、例えばスパイらしく他国の計画を調査したり、

逆にスパイとして捕まったが故の脱出劇など様々なD機関のスパイを題材とした

シチュエーションでスリリングかつエンタメ的に楽しむことができました!

 

特に"魔王"とも恐れられている結城中佐の存在感がすさまじく、良いキャラクターを

しているんですよね。優秀なスパイとしての冷徹さを持ち合わせながらも同胞に

対する優しさのようなものが漏れ出ていたシーンもあり、ハードボイルドと似た

生き方や信念を感じて痺れました...

各メディアミックスとシリーズ化もされている

漫画、アニメ化、映画化など多種のメディアミックスされた作品でもあり、

入り口が多いのも良い点ですが、やはり原作から読んでみたい!という方にも

自信を持ってオススメできる完成度だと思います!

スパイが陰ながら暗躍し、その活躍は一部の人だけが知っているみたいな

シチュエーションは全男子の好物なので、いくつになっても厨二心がくすぐられて

すぐに物語にのめり込むことができて良いと思います!

シリーズ化もしており、後続の作品も面白いので同シリーズの作風にハマること

間違いなしです、気になった方は是非読んでみてください~!