横関大『ミス・パーフェクトが行く!』(幻冬舎文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
横関大『ミス・パーフェクトが行く!』(幻冬舎文庫)
「その問題、私が解決いたします」の口癖が頼もしすぎる主人公
あらすじ
真波莉子はキャリア官僚。
「その問題、私が解決いたします」が口癖の人呼んでミス・パーフェクト。
ある日、総理大臣の隠し子だとバレて霞が関を去ることになるが、
次の勤め先はまさかのファミレス!?政治家の不適切発言の後始末、
不倫CAの転職先探し、赤字続きの病院の立て直しなど、なんでもござれ。
実在してほしい人材NO.1! 痛快世直しエンタメ。
総理の隠し子でキャリア官僚の所謂バリキャリ的な女性の主人公、真波莉子が
運転手兼SPの城島と共に様々な場所で世直し的に立て直しを行なっていく
爽快感の気持ち良い小説ですね。
伏線回収と全ての点と点が線につながっていくミステリ的な部分はあれど、
どちらかと言うとエンタメ小説的な部分の面白さが勝っていたように感じました!
ファミレスから航空会社、果てには病院の立て直しまで...
この主人公はどこまで突き進むのか、テンポよく軽めに楽しめる文体となっていたのも
良かったですね。個人的には莉子と城島の関係性がどんどん恋愛的な意味での
パートナーになりつつもあるのも、また一つお楽しみ的な要素となっていて
面白かったです。(城島のバックボーンなども加味しつつ)
ありそうな題材だからこそ、共感できる「現場」
少し出来すぎな感じもありますが、どこの職場も抱えていそうな問題を
ズバッと解決策を提示して、キリキリと行動に移していく様子が文章にスッと入って
行けるのでサクサクと読めて個人的には良いと思いました。
ただ、この「出来すぎ」感が苦手な人には少しお勧めしづらく、評価が分かれそうな
要因の一つかなと思いました。
課題を抱える人たちは「うわ、いそう...」と思わせるくらいに親近感が湧き、
癖のある総理大臣には、物語的なフィクション然とした面白さを感じ、
続編も出ているようなので、コンセプト的にブレずに進んでいきそうだし
続きも楽しみです!気になった方は是非、読んでみてください〜!