黒崎蒼『罪咲く花嫁の契約結婚』(富士見L文庫)の感想になります。
※ネタバレを少し含みます※
黒崎蒼『罪咲く花嫁の契約結婚』(富士見L文庫)
「罪咲く瞳」を持つ少女が出会う御曹司とのシンデレラストーリー
あらすじ
「人の罪が見える」故、人間不信の令嬢・咲菜。
義母には虐げられ家を追い出された咲菜は、学校の先輩で御曹司の花涼院旬と出逢う。
旬の不本意な婚約の解消のためで、本当に好きな人が現れた時は離婚も出来る。
居場所もあり魅力だけれど、咲菜は見てしまった――
旬の背に鬼百合、人殺しの花が咲くことを。
旬が優しいほど咲き乱れる花に咲菜は戸惑い、そして一層大きな花涼院家の罪に捕らわれてしまうが……。
お互い秘密を抱える二人が、やがて愛を知るシンデレラ物語。
全体を通して見ると、少し不満は残るもののおおよそシンデレラストーリーとしてやりたいことは見えたのでまぁまぁ面白かったです!
「人の罪が花で見える」が故に人間不信となった少女、咲菜が突如現れた契約結婚を迫る旬に徐々に惹かれていき、自分の家族や旬の元婚約者などの周囲からの嫌がらせに負けずに立派に成長していく過程を描き、更に旬と釣り合いたいと努力する姿はシンデレラストーリーとして、ただ与えられたものに甘えるのではなく作中でも描かれておりましたが、しっかりと努力する姿として描写されていたのは好印象です。
現代に生きながらも「罪咲く瞳」などの異能を絡めて、終盤までに細かな伏線を張りながらも花涼院家が何故異能を持つ家との婚姻を大事にするかなどの舞台設定をしっかりと最後には分かるように描き切っていた部分も分かりやすくて良かったと思います!
出会いのエピソードの薄さと具体的な甘さの伴うイチャラブがない
上記の物語の中で咲菜が旬に惹かれていった様子はわかるのですが、ただ一方で旬が咲菜をここまでするくらいに好きになったエピソードが浅すぎてその点がかなり残念でしたね...
少ししか語られない過去のエピソードと終盤の展開で披露されたのは良いのですが、もう少し厚みが欲しかったかなぁと感じてしまいました。
更に旬と咲菜が絡むような所謂ラブコメのお約束的な展開みたいなものもあまりなく、本筋のお話を描くためにそこら辺が抜け落ちてしまっていたのも、少女小説として読むのであれば、期待値を下回ってしまいましたね...
これは完全に個人のわがままを通したものとして記載しますが、旬から描かれる視点や出会いのエピソードを過去の描写として挟む、などがあれば、もう少し物語に前述の点で厚みやキャラクター自体への感情移入として良かったかなと感じましたね...
比較的楽しんで読むことはできたのですが、シリーズ化はするのかな?
次回作などもあれば、読んでみていたなと思いますので気になった方は是非読んでみてください〜
また別シリーズの感想もあげておりますので、もし良かったら見てみてください!
