柳広司『ラスト・ワルツ』(角川文庫)の感想になります。
※ネタバレを少し含みます※
柳広司『ラスト・ワルツ』(角川文庫)
まさしく"世界"を騙す、D機関が暗躍する大人気スパイミステリの4作目
あらすじ
仮面舞踏会、ドイツの映画撮影所、疾走する特急車内――。
大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ組織「D機関」が世界を騙す。
ロンドンでの密室殺人を舞台にした書き下ろし短編「パンドラ」を収録!
「スパイが暗躍し、各世界情勢に関わる部分に登場するミステリ要素のあるアクション小説」の構成は大きく変わらず、スパイたちの緊迫感や影で動く暗躍ぶり。
本作では殆ど登場しませんが結城中佐の格好良さなども相変わらずある一作でした。
スパイなのに逆にド派手に目立っているエピソード「ワルキューレ」やドラマティックな演出と描写の多いエピソード「舞踏会の夜」、列車内で起きる殺人事件が部隊の「アジア・エクスプレス」などなど、粒ぞろいの短編が多く、文量としては少ないながらもある程度満足できる短編が多かったのかなと思いました。
特にエピソード「パンドラ」は本格ミステリらしい舞台設定の二重の密室が登場するなど、そこにスパイ要素が絡むことによって更に面白くなっているのでミステリ要素を求めている方にもオススメしやすい内容になっていたのかなと思います!
続編も出ていないので、おそらく最終作。シリーズを通しての感想。
おそらく多くの方が思っているとは思うのですが、巻を追うごとに一作目である「ジョーカー・ゲーム」の衝撃が風化していき、同じような構成のお話が続く中でどうしてもマンネリ化してしまい、右肩上がりにはならなかった部分がシリーズとしては残念だったかなぁと思いました。
ただ、内容自体が面白くなかったわけではないので、万人受けしやすくオススメしやすいシリーズであることに間違いはないので、気になった方は是非読んでみてください!
同シリーズの他作品の感想も書いているので気になった方は是非読んでみてください~
