背筋『近畿地方のある場所について』(KADOKAWA)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
背筋『近畿地方のある場所について』(KADOKAWA)
⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎一帶での恐怖体験を取材したモキュメンタリー型ホラー、その結末とは。
あらすじ
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近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。
今更になって本書を読み始めたのには理由がある。映画化もするし、つい最近には文庫化もした。そう、この文庫化が理由である。
私は常日頃から文庫派であり、基本的に単行本を購入しない。
ただ、よくよく購入した後に本書のあらすじを見てみると以下の注意書きがある。
「※単行本とは内容が異なります。ご了承ください。」
ずるい商法だなぁと思うと同時に面倒臭い性分が発動して、単行本も買いました。
先に発売した単行本を見る前に文庫版を読んで感じるものと発売順に追っていった時に感じるものは絶対に違うよなぁ...と思ってしまい、文庫版だけ読むことを自分自身で許せなかったからである。
そんなこんなで本作を読んでみましたが、オーソドックスなモキュメンタリー型ホラーでしたね。
物語としては結構白かったのですが、上がりに上がったハードルを超えるかというと惜しかったかなぁと思いました。(文庫と違うなんて趣向を凝らしたくらいだからとか、単行本でしかできないことがあるのか、とか色々身構えちゃいました)
自分の中でこれだけ売れているのだからというハードルの上がり具合があって、それを大きく超えることはなかった印象です...(良くない癖ですね...)
そういう期待を抜きにすると、しっかり超常の怪異などが複雑に絡み合っているし、取材などの過去の記録から徐々に怪異の姿に近づいていく部分や、徐々に語り部の様子がおかしくなっていく様など、現代テイストなホラーと様式美に則ったホラーが展開されていて、しっかりと面白い作品であったから初心者の方などにオススメしやすいと思います!
時系列がバラバラで語られて行くので、途中整理すると更に読み進めていく際の面白さもありますが、個人的には最後のオチだけが結構弱かったなぁ...と思うと同時にモキュメンタリー故ですが、起きたこととして全ての事象に理由づけが行われず、いわゆる「読者の想像にお任せします」と言った形の演出が多いのは結構引っ掛かりましたね...
起きたことは起きたことで描写されており、恐怖の演出のために仕方のないこととは納得しておりますが意外にも結構多かった印象..(食べ物に味がなくなる、呪文、など...)
実話怪談みたいな怖さがあり、読む分には面白いけど物語としてモキュメンタリーで組み込まれている以上、そこにフィクション寄りの線引きがあり、所謂2chの洒落怖のような恐怖を感じることができたので、その点では良かったかなと思いました!
ホラーとしてはしっかりモキュメンタリーという形式を活かしたホラーで、読書に慣れていない初心者の方にも昨今の体験型ホラーとしてオススメしやすいかなと思いました。単行本の方を読み終えたので、文庫版の方も近いうちに読んでいこうと思います!気になった方は是非読んでみてください〜。
