紺野天龍『ゼロの戦術師』(電撃文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
紺野天龍『ゼロの戦術師』(電撃文庫)
才能なし(能力ゼロ)の少年が知略という才能で危機を乗り越える戦記ファンタジー
あらすじ
突然人類に発現した異能の力《刻印(ルーン)》によって、才能の優劣が決まる世界。
特級戦術師の偉大な父を持ちながら、生まれつき《ウィアド(能なし)》の
エルヴィンは、才能ゼロの軍学校の落ちこぼれ生徒。
「エルくんは何の才能にも縛られない、スーパー自由人ってことだね」
エルヴィンは任務の途中で不思議な少女と出会い、
時代のうねりに巻き込まれていく。
言ってしまえばありきたりな設定で電撃文庫らしいファンタジー要素を詰め込んだ
才能なし=知略に富んだ主人公が敵国との戦争で渡り合う戦記ファンタジーモノ。
人死にや村が一つ滅ぶ、国が兵器によって滅ぶ状況なのに少し全体的に軽快なノリも
あり、重厚感があまり感じられなかったのは結構残念でした。
全体的に読みやすかったのは間違い無いのですが、前半で少し展開的な停滞は見られた
ものの後半でどんどん本筋の物語が進み、中盤での知略部分なども面白さを感じられる
部分はありましたね。
続編は出ていないので、完全に打ち切り的なルートなのかなと思いますが
エピローグで主人公であるエルヴィンと幼馴染ヒロインのアーデルハイトが進む道を
分かち、最終的に続きが気になるような書き方になっていたのも、良いポイントなの
ですが今でも続きが出ていないとなると、続きを読むことは叶わないのですかね...
敵であるヴァルハラ帝国の思惑と伝説の少女の力が交わったとき
主人公が最後まで能力なしで主人公らしさのある決断力と知略で強敵たちと
渡り合い、アーデルハイトや聖女の生まれ変わりである不思議な力を持つ少女ネージュ
と力を合わせながら巨大兵器に立ち向かう様はファンタジー的に大掛かりで
読んでいてかなり楽しかったです!
後、確かに軍略を左右する能力である刻印が主人公にないとは言え、
知略で首席になれるくらい地頭の良さがあるのに、能力なし=下に見られるみたいな
構図で刻印社会みたいになっている部分は描写的に薄く感じられてしまい、
知略に長けているとはいえ、能力なしだからこその、みたいな部分は
個人的にあまり感じられなかったのが残念でした。
紺野天龍さんが好きなので、完全初期段階のライトノベルとのことだったので
読んでみましたが文体の所々に紺野さんらしさを感じられ軽快に読みやすかった
部分は読んで良かったなと思いました。他作品も気になっているので読んでいきたいな
と思います〜。軽くファンタジー要素のあるライトノベルを読みたい人には
オススメできますので、気になった方は是非読んでみてください〜。
