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【感想】歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫)

歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫)

最後の最後で明かされる衝撃のトリック、そして噛み合う真相。

あらすじ

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして——。

あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。

究極の驚愕、ミステリーの奇蹟がここにある『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午 | 文春文庫 から引用

本作はミステリのランキングなどで絶対見かける作品で、それこそ強烈なトリックがあるからこそ何も知らない状態で読んでほしい一作なんですよね。

私は運良くミステリ初心者の頃に何も事前情報がないままで(お恥ずかしながらここまで有名な作品ということも知らなかったです...)読んだので、読み終わった時の爽快感と終盤の驚愕の真相が分かった時の衝撃は記憶に新しいですね。

 

 

*以下、ネタバレ注意*

 

 

まぁなんと言っても本作を語る上で外せないのは、物語自体に大掛かりな年齢誤認の叙述トリックが仕込まれており主人公が実は老人で、周辺人物も年齢が近い老人だったというところの驚愕にあったと思います。

正直、ジムに通ったり恋愛の絡まないセックスをしたり、他にも主人公である将虎の行動がどれも老人らしからぬ行動であったからこそ自分たちが普段生活をしている上で形成された固定観念のようなイメージが染み付いて読んでいるから見事に騙されてしまいましたね。

 

改めて読んでみると将虎の描写は少し老人と考えると生々しいところがあって、苦手な人もいると感じるのですが、本作の終盤で語られる一番人生を謳歌し、老齢の今こそが最高潮と謳っており、二人で新たな道を探し、愛も確認し合う場面はかなり良かったですね。

正直、その点が作用しておりそれぞれの人物誤認のトリックも重なって、ミステリ部分が複雑な構造になっていてミステリも面白かったですね。

 

 

*以上、ネタバレ注意*

 

 

正直今となっては某作品と同じでネタバレを踏まないで本作を読むことの方が難しい時代となってしまいましたが、今読んでも面白い作品なので、エロなどの描写が苦手じゃない人は是非読んでほしいですね。

まぁできればミステリ初心者のうちにこういう作品を読んでおくと、その後のミステリ生活も結構豊かになる気がするという持論があるので、2、3作読んでミステリの目になってきた人にこそ、オススメしたい作品かなと思います。気になった方は是非読んでみてください〜。