道尾秀介『カササギたちの四季』(光文社文庫)の感想になります。
※ネタバレを少し含みます※
道尾秀介『カササギたちの四季』(光文社文庫)
リサイクル屋の二人が謎を解決していく連作短編集形式の日常ミステリ
あらすじ
リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。
理屈屋の店長・華沙々木と、いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、店に入り浸る中学生の菜美。
そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。
「僕が事件を解決しよう」華沙々木が『マーフィーの法則』を片手に探偵役に乗り出すと、いつも話がこんがらがるのだ……。
心がほっと温まる連作ミステリー。
カササギたちの四季 - 光文社 から引用
道尾秀介らしい言葉選びと日常の謎をポンコツ探偵と軌道修正する助手のコンビで解決していく構成の面白さ、どちらもが高いレベルで成立しており、とても面白い作品となっておりました!
軽快な文体とユーモラスさ、そして各短編が終わった後に残る余韻などがバランスよく配置されており、日暮の視点から語られるからこその面白さなどもあって個人的にはシリーズものとして続きがみたくなるような一作でしたね。(おそらくシリーズ化しないとは思いますが...)
基本的な物語の進み方は、どの短編も周辺で日常の謎が発生し、華沙々木が推理を披露してトンデモ理論で解決したかと思いきや、それを日暮がフォローする形で真の結末に近づく推理で解決するという構成。
個人的には特に菜美との出会いである過去のエピソード「南の絆」や意外にも感動を味わうことができた和尚との「橘の寺」などのエピソードは特に良かったかなと思います。
ライトタッチなミステリの中に、自分の過去を日暮が重ねる部分や親子というテーマを上手く織り交ぜることで、少しの苦味や暖かさを感じられる物語となっていた作風も好評価ポイントが個人的にはプラスでした。
道尾秀介の作品としては意外にも他の重めな作品よりは気負いせずに読むことができて、あまり道尾作品を読んだことのない初心者の方にもオススメしやすい作品だと思いますので、気になった方はボリュームもさることながら読みやすさもあり是非読んでみてください!
