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【感想】東野圭吾『白馬山荘殺人事件』(光文社文庫)

東野 圭吾『白馬山荘殺人事件』(光文社文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

東野 圭吾『白馬山荘殺人事件』(光文社文庫

謎の手紙を残して密室で自殺した兄と、その謎を解くべく現地に赴く妹と友人

あらすじ

「マリア様が、家に帰るのはいつか?」謎のメッセージを残して兄は自殺した。

妹のナオコは友人のマコトと信州白馬の『まざあ・ぐうす』を訪れ、兄の死の真相を探ることに。英国風のペンションに集う、事件に居合わせた人びと――。彼らは何を求めてここに集まるのか? 

兄はなぜ死んだのか? 密室トリックの謎と マザー・グースの暗号を解け! 

東野圭吾初期の傑作長編!

白馬山荘殺人事件 - 光文社 から引用

ナオコとマコトが自殺と判断された不審な死をした兄の意味深な手紙から現場に行き、マザーグースをメインとした暗号解読がメインとなり、それに関連して事故死や自殺が他殺として濃厚となる展開は山荘ものでは珍しく不連続な殺人事件を解決していくお話で面白かったですね。

密室トリック自体は新しい驚きがなかったものの、暗号解読関連のメインストーリーが二転三転としてエピローグが複数登場していく構成は楽しんで読むことができました。

 

特にマスターとシェフ、そしてペンション関連の関係性は後続で出てくると思いながらも、暗号解読とエピローグに絡めて行く形なのは良かったと思います。

トリックや暗号解読自体は、読んでいて怪しい部分までは察することができたものの、自分の中で解決まで至らなかったので、図解含め読みやすかったです。

マザーグースメインなところからとっつきにくさを最初は感じたものの、読んでいるうちに物語と共に進んでいく点が没入しやすくて良かったと思います。

 

いわゆる山荘ものにしては珍しくクローズドサークルでもなく、名探偵と呼ばれる存在も登場しないことから、最後に容疑者を集めてと言うミステリの舞台装置的な扱いで解決編をやった部分は少し違和感が残るものの(ハッタリや暗号解読などの事前の仕掛けをより演出するためか...?)分かりやすくミステリしていて個人的にはそこまでマイナスな印象はなかったです。

多少のご都合主義はあるものの、全体的にやりたいことはハッキリとしており、文体も読みやすかったので初心者にもオススメしやすいかなと思いました。

ただ、少し没個性的なキャラクターが気になって、その点は物語に厚みがなかったかなとも思うので、突出した評価はできないなぁ...普通に面白かったと思いました、で終わってしまいました。

 

東野圭吾さんの初期長編ということもありますので、もし気になった方は是非読んでみてください〜。