道尾秀介『いけないⅡ』(文春文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
道尾秀介『いけないⅡ』(文春文庫)
行方不明になった姉、引きこもりの叔父、息子を殺してしまった夫婦など様々な
家庭模様から描かれる「いけない」物語
あらすじ
前作をはるかに凌ぐ“どんでん返し”と“伏線回収”。
「写真」の真相を見抜いたとき物語は一変する。前作は累計40万部突破!
道尾秀介が仕掛ける体験型エンタメの金字塔、再び。
第一章「明神の滝に祈ってはいけない」
⇒行方不明になった姉を探す妹がたどり着いた「願いを叶える滝」。その代償とは――。
第二章「首なし男を助けてはいけない」
⇒夏祭りの日、親に内緒で肝試しを計画する少年たちは、引きこもりの伯父さんから奇妙な「首吊り人形」を借りる。
第三章「その映像を調べてはいけない」
⇒前の晩に息子を殺したと自白する年老いた容疑者。しかし遺体は見つからず、捜査は暗礁に乗り上げるが……。
終章「祈りの声を繋いではいけない」
⇒前作を超える、驚愕のラストがあまたを待ち受ける!
本作も前作と同じくらい面白かったですね。終盤で全ての物語が一つにつながり、タイトルを回収していって、「いけない」物語に上手く繋げていく構成は前作もありましたが、前作同様に上手く4つの短編で構成されていたと思います。
以下はそれぞれの感想。
「明神の滝に祈ってはいけない」
最初は緋里花が殺されたものだと思っていたのですが、終盤と冒頭の写真から一気に叙述的に騙されておりました...文章と前後の写真から時系列を上手く誤認させるトリックとなっており、更に姉の行方不明は後半の物語の伏線になっている巧妙さがあり最初からエンジンかかってましたね...!
「首なし男を助けてはいけない」
悲しいすれ違いと道尾秀介が描く少年といえば、といったような物悲しい話が特徴的ですね。本作は上記の物語よりもがっしりとハマった叙述ではないにせよ、上手く写真も活かされているし、ミステリというよりかは物語として楽しむことができました。
「その映像を調べてはいけない」
少し納得は行ってないのですが、まず家の捜査がされるからバレるのでは...と最後の写真を見て思いましたが、きっと舞台装置的に構成上こうするしかなかったのかなとも思い複雑な気持ちになりましたね。(好きな花を絡めた叙述トリックではありますが、いまいち納得できていない)
「祈りの声を繋いではいけない」
全ての点と点が線で繋がる短編。
ここからは気持ち良いほどの伏線回収と、最後に見事につながりが明かされていく部分は読んでいて分からなかった部分も多々あってすごいと思いました。
刑事の事件解決の収束の願いなども全て回収していくのだから、すごいよ、道尾秀介。
相変わらず道尾秀介の技巧が上手く使われていた一作だったと思います!気になった方は是非読んでみてください〜。
また一作目の感想も書いておりますので合わせて読んでみていただけると幸いです!
