笛吹 太郎『コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎』(創元推理文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
笛吹 太郎『コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎』(創元推理文庫)
消えた居酒屋、誰も死んでいないのに送られてくる喪中ハガキ、増える引き出しのお金など身近で起こった不可思議な謎を解き明かす喫茶店のマスター
あらすじ
昨日行った居酒屋が消えた?
引き出しのお金が四万七千円も増えていた?
誰も死んでいないのに姉が四方八方に喪中はがきを送りつけていた?
ミステリ談義の集まりにひとりゲストをお呼びして、毎回カフェでゆるゆると行う推理合戦。それなりにみんながんばるのだけど、謎を解き明かすのは決まって店長の茶畑さんなのだった。
ほがらかなパズル・ストーリー全七編。シリーズ第一集。
安定して面白かったです!カフェでミステリ談義を行っている集いで日常の不可思議な謎を推理合戦していき、最後にカフェのマスターである茶畑さんが見事解き明かしていくという構成がコージーミステリ的にも見事にハマっておりました!
連作短編集形式で基本的な話の流れは上記のように毎回変わらないのですが、少し昔の連作短編集のように作者の後書きのようなものが最後に載せられているのも好感度高いです。作者のミステリ愛のようなものがここで更に伝わってきたのも良いですね。
とはいえ、コージーミステリとは何ぞや、と思う人も多いかもしれませんので念の為注釈を入れますと、以下のような定義のミステリジャンルを広義的に「コージーミステリ」と呼称しております。
元はハードボイルドからの対義で生まれたジャンルなんですね。
・探偵役が警察官、私立探偵などの職業的捜査官ではなく素人であること
・小さなコミュニティ、あるいは人里から離れた場所が舞台となっていること
・直接的な暴力表現、性的表現を極力排除していること
あくまで日常の謎を対象にしているので、肩肘張らずに読むこともできますし、その中で語られる不可思議な謎は、しっかりと「あ、そう言うことね!」と納得を伴う伏線の張り方と回収で、それぞれの短編でつくオチも見事なものでした。
特に居酒屋と喪中ハガキの謎は最後まで読まないと推理がわからなかったし、意外な結末もあり、読んでいて面白かったです!(他のはそれとなく読んでいるうちに分かったのですが)
どうやらシリーズ二作目も2025年7月末に単行本が出るらしく、文庫化を楽しみに待ちたいと思います!これから追っていきたいシリーズとなったので、読んで良かったです!気になった方は是非読んでみてください〜。
