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【感想】道尾秀介『背の眼 上・下』(幻冬舎文庫)

道尾秀介『背の眼 上・下』(幻冬舎文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

道尾秀介『背の眼 上・下』(幻冬舎文庫

霊現象探求所の所長、真備が探偵役となる道尾秀介のデビュー作。

あらすじ(上巻)

児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。これは単なる偶然か?

『背の眼 上』道尾秀介 | 幻冬舎 から引用

あらすじ(下巻)

「ゴビラサ……」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。

やがて、彼の残した言葉と度重なる霊現象が結びついた時、孤独な少年の死に端を発した一連の事件にまつわる驚愕の真実が明らかになる。美貌の助手・凜を伴う怜悧な霊現象探求家・真備と、売れないホラー作家・道尾のコンビが難事件に挑む!

『背の眼 下』道尾秀介 | 幻冬舎 から引用

今の道尾秀介さんの作風からだとあまりイメージがつかないかもしれませんが、探偵ポジションを据えたホラーミステリーをデビュー作で描いております。個人的にこの真備シリーズは結構好きでシリーズ続編を切望しているのですが、シリーズ最新作から10年以上経過していることから望み薄ですかね...ただ、新装版が2025年9月に出版されるようで、もしかしたら...と望みを捨てきれずにいます。

 

そんな本作ですが奇妙な手紙と作家の道尾がとある村に訪れた際に霊と思しき謎の言葉が聞こえてくるところからは始まり、見事にホラー的な掴みはバッチリで不気味さを感じられる導入となっており、そこから写真の中に眼が写っており見た人は数日のうちに自殺をしてしまうという霊現象の調査へと乗り出して、そこから神隠しへと繋げていき、神隠しが村の閉塞感特有と人の狂気から生み出された、とある産物の結果と推理して、見事ミステリへと昇華していたのはかなり読み応えがあって面白かったです!

動機の部分もよく言われるかもしれませんが、霊の怖さと同じくらい狂気に染まった人間の怖さというものが十分に反映されており、さらには終盤で真備と道尾が感じたとある事象が読後感をさらに良いものになるように演出していたのも大変良かったです。

 

ホラーとミステリが上手く融合し、一つの神隠しが絡む事件を見事に論理のもとで解き明かす面白さと、霊現象としても余韻を残す読後感もある上手い構成のシリーズです!

いつもの黒道尾秀介白道尾秀介も良いですが、それらのエッセンスがある探偵がいる変格もの寄りのミステリもオススメしたいですね!

気になった方は本作も是非読んでみてください〜。