山田桐子『引きこもり令嬢は話のわかる聖獣番11』(一迅社文庫アイリス)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
山田桐子『引きこもり令嬢は話のわかる聖獣番11』(一迅社文庫アイリス)
ゾフレフの残滓がもたらす波乱の展開やヨンとの別れなど婚前の一幕
あらすじ
「忘れたなどとは、言わんだろう?」
聖獣のお世話をする「聖獣番」として働いている伯爵令嬢ミュリエル。
冬を越え、春本番になれば色気ダダ漏れなサイラス団長とついに結婚!と聖獣達と盛り上がっていたある日。冬の調査任務から研究に明け暮れている聖獣学者リーンの様子がおかしくなり――。
リーン様の体に黒竜ゾフレフさんの魂が入っているってどういうことですか? このままでは、サイラス様と幸せな結婚式を挙げることなんてできません!引きこもり令嬢と聖獣騎士団長の聖獣ラブコメディ第11弾!
引きこもり令嬢は話のわかる聖獣番: 11【特典SS付】 / 山田桐子【著者】/まち【イラスト】 <電子版> - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア から引用
本作も安定して面白かったですね!結婚式関連のお話で来るかと思ったけど、前巻で決着がついたかと思われたゾフレフのお話が残滓のようなものですが続き、そこから冬眠中で天寿をまっとうする聖獣ヨンとの別れという本シリーズにも少し味変が入ったお話の構成となっており、いつもと少し違う部分もありますが根幹はシリーズらしい一作となっておりました。
黒竜ゾフレフがリーンの体に残滓として残っており、夜中にリーンの体を借りてミュリエルへの想いが募ってしまいサイラスと取り合いになるシーンは結構挿絵含めて刺激が強めでしたね。作者の後書きにも書いてましたが糸目で知的な学者、モノクルっていう属性があり顔も整っているから、中々キャラとしても良いのですよね。
まぁカップリングとしてはやはりサイラス一強なところもあるので、物語としての落とし所としてゾフレフがミュリエルと添い遂げる方向ではなく、物語として語り継がれていく中で新たな、それでいてハッピーエンドとなる方向性を模索していく展開になったのは面白く読めたかなと思います。
そして聖獣ヨンとの別れですが、ラテルの好々爺としたキャラクターやミュリエルやサイラスを孫として成長を見守ってくれるような描写は、やはりおじいちゃんキャラとして良さを感じますねぇ...ヨンとの別れも登場回数としては本編内で少ないものの"聖獣"との別れというものをシリーズ内で感じさせる最初のきっかけにもなっており、また一つミュリエルの成長にもなっていて、光の描写含めてしんみりとした気持ちになりましたね...
次はいよいよ結婚式編ですかね、ここまで作中では一年をかけてゆっくりとミュリエルとサイラスの甘々な日々を描いて、少しずつステップアップしていく様子が描かれてきましたが、それも"結婚"という一つの区切りがつくと考えると思いも一入ですね。早く読みたいですね〜、気になった方は是非本作も読んでみてください〜。
