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【感想】歌野晶午『首切り島の一夜』(講談社文庫)

歌野晶午『首切り島の一夜』(講談社文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

歌野晶午『首切り島の一夜』(講談社文庫)

同窓会で起きた殺人事件、事件後の登場人物たちから語られていく群像劇

あらすじ

壮年の男女と元教師が四十年ぶりに修学旅行を再現した同窓会を企画する。

行き先は濤海灘に浮かぶ弥陀華島、別名星見島とも言われる離島。

宴席で久我陽一郎は、当時自分たちの高校をモデルにミステリを書いていたと告白する。 その夜、宿泊先で久我の死体が発見される。

折悪しく荒天のため、船が運航できず、天候が回復するまで捜査員は来られない。

宿にとどまった七人は、一夜それぞれの思いにふける……。彼ら一人ひとりが隠している真実は、事件の全容をあきらかにするのか──。

首切り島の一夜 / 歌野 晶午【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア から引用

いやぁ〜、面白くなかった。結構あらすじ詐欺な語り口な作品だったかなと思います。嘘は書いてない、嘘は書いていないのだが...(書いてある内容と物語の書き出しは本当ですしね...)

 

「嵐の孤島で友人が死んだのにそれどころじゃない」って帯に書いてあったのですが、序盤から終盤まで登場人物たちが殺人事件そっちのけで自分自身の過去を回想して今の自分を見つめるだけ、本当にただそれだけ。冒頭に起こった殺人事件なんて終盤で呆気なく実はこういう理由と形で殺されただけでした、というだけで終わる。

最後まで登場人物たちの過去が意味深げに嵐の孤島で行われた殺人事件に関連するのかそれともトリックが盛大に仕掛けられているのか、など気を張って読み進めていましたが、何もなし。

これはミステリにトリックなんて必要がないという元も子もないアンチテーゼ的な作品なのでしょうか。私の頭が悪すぎて理解できていないだけで全てが巧妙に重なった構成の作品だったりしたらすみません、最後の解説を読んでも結局何がしたいか分からず、あまり好意的に受け取れませんでした。

 

途中細かい読み終わってみれば意味をなしていない伏線のようなものもありますが結局のところ回収されていない部分もあるし、意味をなしていない叙述トリックもあるしで、何がしたかったんだ...

裏表紙に「二度読み三度読み」とか書かないで欲しいし、結局読み終えてみれば嘘にしか感じないことを帯にも意味深なこととして書いて売るのやめて欲しいですね。(個人的な意見です)

あの歌野晶午だから斬新な構成の作品が...とかで手放しに面白かったと言えないくらいには正直微妙な作品だったかなと思いました。

 

流石にこれは作者の作品が好きな人にも中々オススメしづらいなぁ...本当にコンプしたい人にしかオススメできない気がする、久々になんだこの作品...となった。気になった方は是非本作も読んでみてください〜。