羊太郎『イヴと偽りの天使たち ロクでなし魔術講師と禁忌教典【正典】』(ファンタジア文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
羊太郎『イヴと偽りの天使たち ロクでなし魔術講師と禁忌教典【正典】』(ファンタジア文庫)
王命によりレザリア王国に来たイヴ、3人の教え子を救うことができるのか。
あらすじ
「いきなりクビなんて……一体、私が何したって言うのよぉ!?」
イヴ=イグナイト。アルザーノ帝国の英雄にして、炎を操る最強の魔術師――
彼女が突然の全役職剥奪&国外追放!?
理由も分からず飲んだくれるイヴに“女王権令《オーダー01》”が届く――
それは極秘任務の始まりだった。
潜入した異国でイヴが出会ったのは黒い翼を持つ天使の少女。
無垢な残虐性を持つグラム。
引っ込み思案で盲信的なマティア。
そして自らを失敗作と語り炎を異様に恐れているカノン。
任務のためカノンらの教官となったイヴは主張の強すぎる彼女たちに
手を焼きつつも、再び“戦場”へと挑む――
「イヴと偽りの天使たち ロクでなし魔術講師と禁忌教典【正典】」羊太郎 [ファンタジア文庫] - KADOKAWA から引用
大きな驚きこそないものの、シリーズものかつ作者らしい王道的なグレンを模した教官
モノとして仕上がっており一巻完結のスピンオフにしてはまとまっていたと思います。
イヴが主人公になり戦後の腐敗したレザリア王国を立て直しつつ、メシマズを発揮
しつつもカノンやグラム、マティア、3人の"堕天使"たちを上手く教育していった展開は
安定していたと思います。
ただ惜しい点も何点かあって、一巻のスピンオフかつイヴが主人公だから仕方ないの
かもしれませんが、イヴが持つポンコツさやヒロインとしての可愛さの部分はあまり
なく、合わせて堕天使たち3人のヒロイン的可愛さも少なかったのは残念ですね...
ここでいう可愛さは日常シーンよりの部分ですが、やはり日常シーン的な部分は
ある程度あった方が個人的には嬉しいですね...
ハッピーエンドとなって綺麗に終わっているのは素晴らしかったし、いわゆる勧善懲悪
的な物語になっていたのも読みやすかったです。
カノンが黒幕だった描写は一瞬ヒヤッとしましたが、伏線めいた部分が色々あったため
ザミエルに取り憑かれたことだとすぐ分かったのは分かりやすいのも⚪︎
マルコ神父疑ってましたが、疑ってごめんよ...
スピンオフ外伝ということで本編が終わってからもロクアカの世界観に浸れる作品が
出してくれるのは純粋に嬉しいですね、今後も他作品などが出るといいなぁ。
イヴが第二回人気投票で1位ということで意外でしたが、イヴ好きには嬉しい作品と
なっていると思います!
気になった方は是非本作もシリーズ他作品も読んでみてください〜。
合わせて他の巻の感想も書いておりますのでもし良かったら見てみてください〜。
