町田そのこ『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮文庫nex)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
町田そのこ『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮文庫nex)
色気のある店長、コンビニ店員や個性的な常連客と描く日常の一幕。
あらすじ
九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。
その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。なぜなら今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、悩みを抱えた人がやってくるのだから……。
コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。
著者の作品はお初でした。本屋大賞受賞などで名前はお見かけしたことはあるもののいつか読もうと先延ばしにしていたけども、キャラ文芸っぽいこちらの作品でまずは様子見しようと思った次第です。
作品自体は、この作品の世界で生きている登場人物たちがコンビニを中心として等身大に描かれていたのが良かったし、それぞれに悩みがあって決して幸せなだけではないものの前向きでひた向きに生きる姿が感じられる描写もあり、何処か暖かみの感じる物語となっていたのも良かったですね。
全6編の短編集、元レスリング部の大学生と気難しい老人客のすれ違いを描いたり、漫画家の夢を捨てきれない塾講師がコンビニのコーヒーと卵サンドを通して再起するお話、コンビニスイーツでつながり友達がいじめる子と友達になってしまった女子中学生のお話、老後の過ごし方がわからず、イートインスペースでいつも弁当を食べている小学生の祖父と偽るお話、母の密会が気になりコンビニバイトの同級生にお願いして追跡する友人との三角関係に頭を悩ます息子のお話、テンダネス門司港こがね村店のクリスマスなどの"コンビニ"という場所や要素を一つ何かしら通したフェロモン垂れ流しのイケメンと周辺の人たちを描いた心温まるお話はとても楽しく読むことができました。
どうやらシリーズものらしく、キャラ文芸としては明るめの物語なので次回作も読んでみたいですね。比較的万人にオススメしやすいし、普段小説を読まないライト層も読みやすい軽めの文体になっているので、その点でもオススメしやすいですね!
気になった方は是非本作も読んでみてください〜。
