衣笠 彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ10』(MF文庫J)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
衣笠 彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ10』(MF文庫J)
降りかかる火の粉を払うだけ、綾小路がCクラスの標的となるが退学となるのは誰か。
あらすじ
季節は春、3月を迎えた高度育成高校の1年生。だが3学期末試験時点で歴史上
初めて退学者を出さなかった結果、1年の全クラスに追加の特別試験『クラス内投票』
が実施されることとなった。それは生徒自身が退学者を選ぶ非情な試験。
誰かが退学しなければならない。その現実を前に冷静な平田の声も届かずCクラスは
分裂。疑心暗鬼が広がる中、裏切り者も現れ最大の危機を迎える。一方他クラスの
状況はAクラスが早々と退学者を決め、Dクラスは龍園が退学濃厚。そんな状況の
中、Bクラス一之瀬はクラスメイトを救うため南雲生徒会長とある取引をしようと
していた。だがその条件は一之瀬が南雲と交際するというもので――!?
本作も綾小路の暗躍が光ってましたね。本人が行動したのは少しでも周りを上手く
動かすことで自分の思い描いたゴールに着地させるのが格好良すぎますね。
見事に小物ぶりを披露して、この一年で何も成長しないし、1年生の主要人物の
殆どに敵を作った山内が退学となったのは必然だったのかなと思います。
このクラス内投票を行ったことで平田の闇が本格的に垣間見えてきており、そこが
次の試験にどう影響するかが見えずに怖いところではございますが、最終盤で出てきた
綾小路父の手先、そして南雲の動向、目が離せない要素がありすぎて忙しすぎる。
そして、この残酷な特別試験を経ることで堀北はまた一つ成長し、高円寺にも見せ場が
出てきてCクラス内の主要人物がどんどん定まってくると同時にサブキャラにも
光が当たっていくのは上手かったと思いました。
他クラスでも動きがありましたが、龍園を救ったり南雲の毒牙から一之瀬を救ったりと
全てを一瞬の手際で解決する綾小路が本当に格好良すぎるな...
というか南雲さん...交際を条件にするとか、また小物感が凄すぎて...
もう好感度がこれ以上下がらないところまで来てるし、能力に対するハードルが
すごい勢いで下がってきているのですが...
退学者が出たことで、一層物語に引き締まった感じが出てきましたね...
いよいよ一年生編も終わりが近づき最後の特別試験が幕を開けようとしております。
そして初の退学者が出るとともに綾小路父の動きも本格的に...
先が気になりすぎるので次巻も早いうちに読んでいこうと思います!
前巻の感想も書いてますので、合わせて読んでみていただけると嬉しいです!
また気になった方は是非本作も読んでみてください〜。
