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【感想】久真瀬 敏也『ガラッパの謎 引きこもり作家のミステリ取材ファイル』(宝島社文庫)- 引きこもり作家と歴史を学ぶ大学生が「隠れキリシタン」の新説に挑むミステリ。

久真瀬 敏也『ガラッパの謎 引きこもり作家のミステリ取材ファイル』(宝島社文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

久真瀬 敏也『ガラッパの謎 引きこもり作家のミステリ取材ファイル』(宝島社文庫

信仰を隠していた同級生の祖父の無念を晴らすため、「隠れキリシタン」の新説を解き明かす歴史を紐解くミステリ

あらすじ

「引きこもり」作家として活躍する石田水瀬と幼馴染の徳川大樹。

隠れキリシタン」の新説に挑むため、 「引きこもり」なのに、なんとか取材に

やってきたが、調査は思わぬ方向へと広がってゆく。キリシタン大名、河童[かっぱ]

の一種「ヨッカブイ」、さらには「妖怪」「ユダヤ教」「一向宗」……。「河童の手」、

山に入り山童[やまわろ]となる河童。次から次に繋がっていく謎。彼らは歴史の常識

を覆す新説に辿り着けるのか。

ガラッパの謎 引きこもり作家のミステリ取材ファイル│宝島社の通販 宝島チャンネル

から引用

誰か人が死ぬようなミステリではなく、誰かのためを思って歴史を紐解き新説を

手繰り寄せる日常寄りの歴史学をベースとした謎を解いていくミステリでした。

ミステリとして面白かったかと聞かれると果てしなく微妙で、物語を通して作者が

登場人物に都合した歴史の新説をひたすら説いていたという印象がどうしても

拭えない部分もありました。

 

幼少期のとある出来事で引きこもりになってしまい、そこから作家デビューをした水瀬

と、その出来事に関係する幼馴染の大樹が大樹の同級生の祖父が「隠れキリシタン

だったということを証明するため調査に乗り出す展開で、その調査の過程で様々な登場

人物の感情に触れられるのは結構物語としては楽しめたのかなと思いました。

 

コンビものとしてシリーズ化しそうかなと思っていたのですが、どうややシリーズ化は

されていないようで...少し残念です。コンビの活躍を見たいとは思っていたので、

個人的には気になる部分はありつつも少しは楽しめていたのかなぁと感じます。

 

作者の他作品にも共通しておりますが、新説系を打ち出すミステリが多く読む分には

楽しめるのですが、一つ飛び抜けたものがないのも同じ印象なんですよね。

まぁまぁ面白いが、中々他の人にはオススメしにくいかなぁ...

ただ、気になった方は是非読んでみてください〜。