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【感想】筒井康隆『旅のラゴス』(新潮文庫)

筒井康隆『旅のラゴス』(新潮文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

筒井康隆『旅のラゴス』(新潮文庫

超能力、テレポートなどが登場する世界でラゴスが旅を続ける物語

あらすじ

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス

集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

『旅のラゴス』 筒井康隆 | 新潮社 から引用

今はもう40年以上前に出版された古典中の古典となるSF作品ですね。作者も有名ですが、私は著者の作品を本作以外読んだことがなくて、この作品で初めて知りましたね。

タイトルが示す通りラゴスの旅が歴史を追う形で描写されており、この世界観に浸ることができた人はハマれるのかなと感じました。個人的にはこの世界観とラゴスという主人公を、あまり上手いこと受け止めきれずにハマらなかったですね...

 

ラゴスの旅を続ける目的みたいなものが途中でうっすらと語られるだけで、終始意識して語られることもなく、旅をする中で波瀾万丈な生き方を続けているのですが、それらに価値がないかの如く、次へ次へと歩みを進める様が正直何が起こるわけでもない旅を永遠と見ている気がしており、終わった後もその印象が変わらなかったからさほどハマれなかったんですかね...

調べてみると意外とサジェストでは、似たような感想を持っている人もいるし、人によっては自分自身の読書ランキングみたいなものに入っているしで、人それぞれで結構評価の分かれる作品なのかなぁとも思いました。

 

印象的なのは、最終盤での展開で、旅の道中で気になった女性がとある伝説として語られることから、再会のために旅を再度始めるという終わり方で、ラゴスの行末は読者に委ねられる形となり、「ラゴスの旅」という世界の延長線を感じられる終わり方となっていたのは風情がありましたね。

 

個人的には短いながらもハマらなかった作品ではございますが、この作品にしか出せない雰囲気や世界観はあると思いました。

気になった方は是非読んでみてください〜。