我孫子武丸『殺戮にいたる病』(講談社文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
我孫子武丸『殺戮にいたる病』(講談社文庫)
叙述の妙が上手すぎる、ラストまで読み進める手が止まらない有名ミステリ
あらすじ
犯人は愛を語り、作家は真相を騙る……。
犯人は、永遠の愛を得たいと思った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラー。その名は、蒲生稔! くり返される凌辱の果ての惨殺。
恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈にえぐり出す。そして、読者の心臓を鷲掴みにする、衝撃の結末……
叙述トリックミステリの最高到達点!
言わずと知れた超名作ですね、作者は「かまいたちの夜」でも有名な我孫子武丸さん。できれば事前情報の類を一切見ずに読んでほしい系だが、あらゆる推理小説のおすすめに上がってしまい、それも叶わない一作なのかなと思います。
幸運なことに私は読書初心者の頃に、今はもうなくなってしまった近所の書店で講談社の作者順で「あ」行から適当に取ったのが、この小説で事前情報が何も入っていない状態で読むことができて、思い出補正もあってか当初はすごい衝撃を受けた記憶があります。
※以下、未読の方はネタバレ注意※
内容自体はあらすじにもあるとおり、サイコキラーである蒲生稔が過去のとある体験から異常な愛に目覚めてしまい、女性を次々と陵辱と殺害を繰り返し、逮捕までの過程を追っていく結末が分かりきっているミステリであり、その描写や過程を追う流れも面白さに一役買っていると思うのですが、本作の目玉はやはり最後の最後で今までの前提が覆る叙述トリックにこそありますね。
よくよく読んでみると、細かい部分に違和感を覚える伏線は幾つも張ってあるのですが最後の結末を知った上で最初から読むと、また違った見方になってきて面白さが増えるんですよ...これこそが二度読み必須と呼ばれる由縁になるのですが、一番最後に至るまでに過程の中で悟らせないように巧妙に描写されているのが凄いですね!
※以上、未読の方はネタバレ注意※
今となっては古典の部類にも入り、ミステリ好きであれば読んだことのない人の方が少ないかもしれませんが、読んだことのない人がいれば是非読んでみてほしいですね!
またエログロに耐性のある初心者の方には衝撃の読書体験を味わえる一作なので、是非オススメしたいですね。気になった方は是非読んでみてください〜。
