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【感想】竹本 健治『囲碁殺人事件』(講談社文庫)- ゲーム三部作の一作目、囲碁に関連した人物たちが次々と殺されていき、牧場少年の推理が光る。

竹本 健治『囲碁殺人事件』(講談社文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

竹本 健治『囲碁殺人事件』(講談社文庫)

囲碁の名人の首なし死体、囲碁好きな医者の死体、二つの事件の関連性とは。

あらすじ

山梨で行われた囲碁タイトル戦・第七期棋幽戦第二局二日目、〈碁の鬼〉槇野九段が、

近くの滝で首無し屍体で発見された。IQ208の天才少年棋士・牧場智久と大脳生理

学者・須堂信一郎は事件の謎に挑むが、犯人の魔の手は牧場少年にも襲いかかる。

ゲーム三部作第一弾開幕!

『囲碁殺人事件』(竹本 健治)|講談社 から引用

囲碁殺人事件」と銘打たれておりますが、囲碁が分からなくとも楽しめる内容と

なっており、殺人事件だけでなく主人公牧場少年への脅迫など、物語を通して緩急を

つけながらミステリとして楽しむことができた一作かなと思います!

 

囲碁関連の事件性がある設定ですが、素人目にも分かりやすく囲碁というものを

上手く絡ませているし、首なし死体という派手な殺人とトリックや伏線などを

本格ミステリとしての骨子がしっかりと組み込まれており1980年初出版と古い作品

ながらも今読んでも面白い作品でした。

 

牧場少年が闇の中追いかけられるところの緊迫感や、少しの手がかりから須堂や

姉の典子など、周辺の人物と協力しながら真相に迫っていく流れは冒険小説の系譜も

感じられ読んでいて手に汗握る展開も多く、その点でも楽しめるかと思います。

肝心のトリックは囲碁碁石を用いた暗号や事件の真相に関連するものなど

解決編を読めば納得できるものだったので、少し難解ではあったものの納得は伴って

おりました。

 

竹本健治といえば、一部の熱狂的なファンがいるイメージが強く、衒学的なミステリを

描いたりする印象があるのですが、意外としっかり本作ではミステリしていたので、

ゲーム三部作は初期の作品もあってか比較的読みやすいかなと思います!

気になった方は是非読んでみてください〜。