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【感想】紅玉いづき『サエズリ図書館のワルツさん2』(創元推理文庫)

紅玉いづきサエズリ図書館のワルツさん2』(創元推理文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

紅玉いづきサエズリ図書館のワルツさん2』(創元推理文庫

「働くことは生きること」そう胸を張って言えることが幸せだと感じさせてくれる物語

あらすじ

戦争(ピリオド)の影響と電子書籍の普及により、紙の本が貴重な文化財となった近未来。“特別保護司書官”のワルツさんが代表を務める、本を無料で貸し出すサエズリ図書館を舞台に、本を愛し本に導かれた人々の物語が始まる──。

自信のない就活生と老図書修復家が人生を見つめ直し、再出発する中編、ワルツさんと電子図書館司書との対立を描く短編や書き下ろしほかを収めたシリーズ第2弾!

サエズリ図書館のワルツさん〈2〉 - 紅玉いづき|東京創元社 から引用

相変わらずサエズリ図書館が持つ暖かい雰囲気と、それぞれが傷を持ちながらも懸命に自分なりに生きていく登場人物達の姿勢が紆余曲折ありながらも、芯を感じられる物語となっており、読んで良かったなと思いました。

前作と同じで細かい部分で世界観に対してツッコミどころ(この世界観で就活やら...)はあって少しだけ世界観に馴染みづらかった部分はあるものの、「紙の本」が生活に入り込んでいる人たちを描くという観点からいくと瑣末な問題なのかもしれませんね。

 

実際にチドリさんの物語では、就活を行うも体調的な問題で一般的な仕事に就くことができないが故に人一倍「働くことは生きること」のために、理由や「天職」と呼ばれるものへ拘りが人一倍強い、現実というものが生きづらい一人の女性の生き様が克明に描写されており、そこで出会った「図書修復家」に出会い、少しずつだけど千鳥さんが救われていく過程がとても良かったと思います。

そこには上記の気になった点もあったのですが、読んでいくうちに本を修復することに生涯を捧げてきた降旗さんだったからこその深い絶望と再起の話としてのめり込むように千鳥さんと降旗さんの双方に感情移入して読んでしまいました。

 

その他にもタンゴくんやサトミさんの深掘りなどがされている短編なども収録されており、よりサエズリ図書館という舞台が好きになる短編で、良かったです。特にタンゴくんのお話は思っていたよりも良かったので、嬉しかったです。

 

相変わらずミステリ要素は皆無ですが、この世界観は「紙の本」を読む人にとっては一読の価値はあるんじゃないかなぁと思います。気になった方は是非読んでみてください〜。

また1作目の感想も書いておりますので、気になった方は合わせて見ていただけると幸いです!

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