道草家守『ひねくれ給仕は愛を観ない』(ポプラ文庫ピュアフル)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
道草家守『ひねくれ給仕は愛を観ない』(ポプラ文庫ピュアフル)
眉目秀麗な胡散臭い御曹司✖️無愛想な千里眼給仕少女の異能ミステリロマンス第1巻。
あらすじ
人の過去を覗く千里眼の能力を隠して銀座のカフェーで働く少女・叶恵は、ある日訪れた眉目秀麗な御曹司・玲司に怪奇事件「狐憑き」の調査を依頼される。
多額のチップを提示され、叶恵は異能を隠しながら慎重に調査を進めることになったが、異常に鋭い機転と洞察力を持った玲司にはついにその秘密がバレてしまう。
玲司に対し警戒を強めた叶恵だったが、それ以来、玲司は叶恵を求めてカフェーに入り浸るようになってしまい――?
発売してから読むまで少し間があいてしまいましたが、道草家守さんの新作です!
いやぁ〜〜〜〜、かなり面白かった、大満足です。千里眼という人や物の過去を覗くことができる異能を持つカフェーで給仕の仕事をしている無愛想な少女、叶恵と胡散臭いくらいに人当たりが良く顔面偏差値も高い御曹司の玲司の組み合わせが物語の最後まで読むと、かなりしっくり来て良かったのですよねぇ...
最初は怪奇事件の解決に一役買っている少女の噂を聞きつけて、霊術家の相談に来た一人の少年と玲司が共に来るところから始まり、狐憑き、呪いの酒器、椿幽霊の正体など様々な怪奇事件の調査を叶恵と玲司のバディでしていくうちに互いが互いの良い部分に気づいていく様子が良かったですねぇ...もちろん本作の千里眼の異能を用いてミステリ的な謎を解決していく構成も上手くハマっていたし、そこから徐々に玲司の過去や叶恵の過去に触れていくのも上手だったと思います。
最後のカフェのオーナーの村上が怪しすぎることは分かりきっていたが、自分が鬼ということを再確認し、生きることを諦めていた玲司の諦観にも似た生の諦めを叶恵の意地で現世への執着を復活させたのはカップリング的にも熱かったですね。
サイコパスなところもあるが肉親への愛情が忘れられず、鬼となってしまったが故に鬼を知る少女と出会った自罰的な男が一人のヒロインの意地によって生への執着を復活させるような運命力高すぎる展開大好き侍なんだよな。胡散臭いくらいに顔と愛想が良い男が過去の一件で一瞬翳りを見せる様子とか大好物なんですよね。
巻末を見ると2026年夏頃に続きが出るようで今から楽しみですね!異能と過去の影響で心に傷を持つが腐ることなく生きる少女とサイコパスな一面を持ちつつも叶恵への興味と関心が重すぎる玲司の普段の胡散臭いくらい人当たりの良さと魅せる冷酷な裏の顔というギャップの良さがあり、異能ミステリ✖️昭和初期という時代背景の少女小説としてかなりオススメです!
気になった方は是非本作も読んでみてください〜。また他シリーズではありますが「龍に恋う」や「青薔薇アンティークの小公女」も面白いので是非読んでみてください!
