夜繙く

主に推理小説などの感想や日常のこと

2025年に文庫で発売された面白かったオススメの小説。

どうも、くろまーると申します。タイトルの通りで2025年に文庫化、もしくは文庫で発売された小説の中で面白かったミステリ・ホラー小説を紹介したいと思います!(年始までに今年発売の作品を読んだら追加するかもです)

紹介したい基準は以下のような五段階の形で読書メーターで本棚管理しているので、その基準で特に面白かった小説をご紹介できればと考えております。

★★★★★(文句なしの最高傑作)← 今回紹介

★★★★(かなり面白かった作品)← 今回紹介

★★★(普通に面白かった)

★★(普通まであと一歩の作品)

★(面白くなかった、オススメできない)

 

また時間が中々取れないため積読にしている作品もあるので、そこら辺が入っていないのはご容赦ください。後あくまで読んだ本のみで紹介するので「何故⚫︎⚫︎⚫︎が入っていないんだ!」みたいな食ってかかる反応はやめてください。(読んでない本に点数つけて紹介とかもやりたくないので...)

そういう時は大人になって「⚫︎⚫︎⚫︎も面白かったので是非オススメです!」くらいの言い換えをしましょう。あくまで自分の価値観に基づいた評価なので、穏やかな目で見てください。評価は個人的見解+甘々です。

 

参考までに私が2025年12月25日までに新作・旧作問わずジャンルはミステリ・ホラー・SF・ライトノベル少女小説で読んだ小説は278冊でした。

仕事が限界突破して忙しかった時期は読書量が皆無となっていましたが、その辺りも来年に読書メーターのまとめとか出そうかなと考えているので、そこで触れられたらいいなと考えております。では、早速ご紹介していきます。

★★★★★(文句なしの最高傑作)

紺野天龍『神薙虚無最後の事件 名探偵倶楽部の初陣』(講談社タイガ

2025/1/15発売、多重解決もので本格ミステリの様式にも則り、キャラクターとの掛け合いを主としたライトな文体も読みやすい作品でした。個人的な推しポイントと面白かった点は、やはり不可解な状況から派生した謎をしっかりと論理で構築して技巧や細工を凝らした多重解決もので次々と変わるがわる出てくる驚愕の展開で構成された物語、昨今流行りの名探偵論まで派生したキャラクターたちの掛け合いが良かったので、物語全編通して面白かったのが高評価になった部分。なんとシリーズ化して続編も出ているので一作目で止まっている人は是非2作目も読んでみてください。

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方丈貴恵『アミュレット・ホテル』(光文社文庫

2025/06/20発売、大好きな〈竜泉家の一族〉シリーズを描いた方丈貴恵さんの新シリーズ。読み応えはあるのに意外とサクサク読めるくらいの濃淡で面白い連作短編集でした。犯罪者御用達のホテルで起きた殺人事件をホテルお抱えの元殺し屋の探偵が様々な事件を解いていくという構成の物語。舞台設定に違わぬ濃いキャラクターたちが織りなす様々な謎を残す殺人劇はどれも本格ミステリらしく、しっかりと論理で構築されており、どの短編も楽しむことができました。ホテル探偵である桐生の過去などもしっかりと描かれていたので一作当たりのキャラクターに感じる満足度も比較的高めだったのとミステリ部分の面白さがどの短編でも感じられたのが良かったですね。

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紺野天龍『魔法使いが多すぎる 名探偵倶楽部の童心』(講談社タイガ

2025/2/14発売、2作目もしっかりと面白かった。シリーズ的に好きな内容にもなっていたし一作目と同様で本格ミステリ✖️多重解決ものの様式は変わらず、一作目の雰囲気を損なうことなく非現実を論理で再構築していくような面白さもあった部分が面白かった。魔法使いの弟子たちが過去に起きた師匠の未解決殺人事件を自白していく中で魔法ありきの結論で推理を作り上げて反証していく様子が面白かったし、一辺倒になる展開だけでなく抑揚をつけた起承転結がしっかりとした構成のお話だったのも良かったですね。結構キャラクターの合う合わないはある作品だと思うので本格ミステリを読みたいけどライトな作風は苦手という人は回れ右してください。

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★★★★(かなり面白かった作品)

今村昌弘『兇人邸の殺人』(創元推理文庫

2025/10/10発売、シリーズ3作目ですね、1作目の『屍人荘の殺人』は読んだことのある人が多いのではないでしょうか。今回は巨大な体躯を持つ殺人鬼が住まう館に閉じ込められてしまい、外には大衆もいる遊園地があるという状態なので助けも呼びにくいという自発的クローズドサークルで特殊な舞台設定の中起きる特殊設定ミステリとなっておりました。設定の特殊さが一見目を惹きますが、その中で描かれる本格ミステリ的な背景と設定を活かしたトリック、趣向を凝らした結末になっていた部分は楽しめました。

葉山と比留子のバディものとしての成長物語となっていたのもシリーズ好きとしては評価が上がるポイントでしたね。

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大神晃『蜘蛛屋敷の殺人』(新潮文庫nex

2025/8/28発売、元カノ実家訪問系トラベルミステリ(?)の2作目。便利屋であり数々の事件を解決してきた樋山とそこでアルバイトとして働く主人公の元カノが女子大生イタコ名探偵であり、過去に起きた未解決事件の謎を推理合戦という形で解いていくミステリ。前作も割と面白かったのだが、本作がしっかりとクライマックスに向けた二度、三度とどんでん返しを仕掛けてくる構成と、本格ミステリらしいともすれば少しシュールなことになるような推理を行っていく多重解決もののような展開は飽きることなく読ませてきて良かったですね。今後もシリーズものとして発売されていくことを願ってます。

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高野結史『バスカヴィル館の殺人』(宝島社文庫

2025/1/8発売、星3.5位だけど意欲作のような部分を終盤の構成力に感じたので、そこが評価点として伸びたように感じた。一作目の『奇岩館の殺人』は主人公の内と外の描写に乖離を感じてしまい、物語自体の面白さが台無しになっていたように感じたのだけど2作目は乖離も少なくまだ読めるようになっていたので、そこが改善されていたし前作同様の殺人ゲームを運営していきシナリオとの帳尻合わせの面白さと、もう一つ裏で進行していた思惑のミステリとしての二本柱の面白さが同居していたので、そこが個人的には高評価でした。

大島清昭『最恐の幽霊屋敷』(角川ホラー文庫

2025/6/17発売、著者の作品は他シリーズも面白いのですが本作のようなノンシリーズの作品を初めて読んだのですが面白いですね、どちらかというと限りなく星5に近い星4といった評価になります。幽霊屋敷と幽霊屋敷に踏み入れた人たちに降りかかる不幸な災い、そして災禍と合わせて人為的な謎が発生するホラーミステリのような形をとっていて、恐怖を煽る場所とミステリ的に次々と真実が判明していくバランスの良い部分が好きでしたね。モキュメンタリーのような形式も差し込まれていたりと色々な切り口で楽しめるホラー小説だったと思います。

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滝川さり『あかずめの匣』(角川ホラー文庫

2025/3/22発売、作品が出るたびにホラーとしての良さがどんどんと洗練されていき、本作はかなり面白かったです。「あかずめ」という怪異が時代や場所、人など異なる視点で語られていき呪いのような理不尽な恐怖を体験型ホラーとして味わえるホラー小説となっていて、後半になればなるほど謎が深まり伝播型ホラーのように元祖ホラーな雰囲気と恐怖を感じられるところがポイントですね。

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市川憂人『灰かぶりの夕海』(中公文庫)

2025/8/21発売、読後感が好きなミステリでした、一変してしまった日本を舞台に描かれる亡き恋人を想う主人公が描かれる特殊設定ミステリ。構成の妙と終盤に近づくにつれて力が入っている展開の連続で見事に読後惹かれちゃいましたね。意外と物語に入り込むための前半の展開が退屈に感じてしまうかもしれないですけど、中盤に徐々にスピードアップしていく怒涛の展開は目を見張るものがありますね。

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背筋『文庫版 近畿地方のある場所について』(角川文庫)

2025/7/25発売、星5くらいの期待値で読んだけど3.5くらいの面白さだった(小声)文庫版と単行本で話が違うらしいので、もちろん単行本→文庫の順番で読んだ。かなりストーリーテリングな形で修正されていて、ホラーというよりヒューマンドラマのような趣の仕上がりになっていた。単行本を読んで結末をある程度知っていたこともありましたが、修正された単行本と違うという点では面白さを感じられたので、そこは加点かなという感想でした。

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三津田信三『歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理』(角川ホラー文庫

2025/5/23発売、大好きな三津田信三さんの新シリーズ1作目。青春感のある刀城言耶シリーズのような作品。刀城言耶の助手が師匠と同じく合理的解釈で怪異を論理で再構築していく作品。やはり三津田信三のホラーミステリは最高、しっかりと調和の取れたホラーとミステリのバランスはお見事でした。最後には著者の作品を読んでいると嬉しいサプライズがあったのも個人的には好評価ポイントです。

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藍上央理『完璧な家族の作り方』(角川ホラー文庫

2025/4/25発売、見事なモキュメンタリーホラーでした。note主催・創作大賞2024〈角川ホラー文庫賞〉受賞作でnote側に投稿されている記事も合わせて見ると更に作品が面白くなりました。怪異らしい怖さと人間のドス黒い闇の部分から出てくる恐怖がどちらも良いバランスで総合的なホラーとして上手だったと思います。分かりやすくモキュメンタリーという形式を通して現実にも寄せた演出があったのも良かったと思います。

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北森鴻『屋上物語』(創元推理文庫

2025/6/20発売、デパートの屋上に設置された物の視点から屋上で起きる様々な出来事に癖のある登場人物たちが関わっていき、色々な謎が解き明かされていく何処かユーモラスさを感じる中にもほろ苦さを演出している連作短編集。終盤の少年が大人になっていくような切なさを感じる短編は読後感が凄まじく、大好きな部分でした。

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君野新汰『魔女裁判の弁護人』(宝島社文庫

2025/6/4発売、意外と賛否が分かれる作品かなと感じました。個人的には仕掛けられた罠は作品の要の部分に見事に作用していたように思います、流石このミスの隠し玉でした。魔女裁判を題材としたファンタジーと現実の狭間で描かれる特殊設定ミステリのようだけど、何処かそう形容し難い何かを持っている気がしますね。後半で明かされる怒涛の真実と最終盤に描かれた本作のゴールはこの作品らしい終わり方だったので好きでした。

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最後に

普段は読んだ小説(ミステリ、ホラー、ライトノベル)などの感想を思うがままに書いております。もしよかったら小説好きな人、これから読んでみたいよ!という人は感想の方も見ていってください〜。他にも今年発売の文庫化されたものであると思いますので、オススメ小説などもコメントにて募集しております!