山白朝子『エムブリヲ奇譚』(角川文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
山白朝子『エムブリヲ奇譚』(角川文庫)
見知らぬ道、不思議な胎児、そして蝋庵と耳彦──旅はいつしか怪異譚になる。
あらすじ
旅に出ては必ず迷う和泉蝋庵――哀しくも切ない道中記、ここに開幕。旅本作家・和泉蝋庵の荷物持ちである耳彦は、ある日不思議な”青白いもの”を拾う。それは人間の胎児であるエムブリヲと呼ばれるもので…。迷った道の先、辿りつくのは極楽の温泉かはたまたこの世の地獄かー
乙一の別名義の作品、がっつりホラーというより不思議で奇妙な世界観と薄気味悪さを徐々に感じていくホラーで、結局よくわからないままの話も多い短編集でした。面白いか面白くないかで言うと面白くはない、世界観は良かっただけの作品だったように感じました。
歩くことでしか旅をできない古い時代の道中記を記した迷い癖のある作者とその従者が次々と旅の中で不可思議な事象に遭遇していく流れで進むが、若干のグロテスクとちょっとしたユーモラスさがある文体で幻想怪奇小説っぽい雰囲気もありましたね。「地獄」などの短編はグロテスクさも多く意外と読む人を選ぶ気がしますね。個人的にまぁまぁ面白かったかなと思うのは「ラピスラズリ幻想」「さあ、行こう」と「少年が言った」辺りかな。
文庫版の表紙は石田スイさんで表紙がかなり素敵でしたね!世界観と山白朝子さんの文体や雰囲気に浸りたい、また幻想怪奇小説のようなホラーを感じたい方にもオススメできるかなと思います!気になった方は本作も是非読んでみてください〜。
