町田そのこ『コンビニ兄弟4―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮文庫nex)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
町田そのこ『コンビニ兄弟4―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮文庫nex)
離婚で一人暮らしを始めた女性、ヒーローに憧れた男性がヒーローになる物語。
あらすじ
百合は大好きだった夫と別れ傷心の一人暮らしを始めるが、門司港で妙に賑うコンビニを発見する。舞人はかつてヒーローになりたかった。自分を見失う彼の元に突如訪れた「テンダネス着ぐるみ」任務。その背後にはとあるコンビニ店員との過去から今に繋がる熱い友情があった。報われるばかりの人生でなくとも手にすることができる小さな幸せがここにある。温かなコンビニ物語第四弾。
本作も良かったですね。シリーズも4作目ともなり、より安定感の増した作品となっていたと思います。傷心の女性の中に染み入る暖かなコンビニのイートインスペースで描かれる物語、ウクレレと称されるコンビニバイトとヒーローに憧れを持つ青年の熱い友情物語など、また違ったテイストなお話を味わうことができて面白かったです。
乾杯のリスタート
支配的な両親のせいで夫婦仲に亀裂が入り離婚した百合が門司港で"リスタート"するお話。テンダネスのイートインスペースがバーとなり、テンダネス門司港こがね村店の人たちの暖かみが嬉しい物語でした。離婚してからの方が決心づいて寂しいけど何でもできてしまったという部分が物悲しさを助長しており、夫を「ただのおじさん」にしてしまったという部分も"結婚"を多角的に捉えた部分の難しさを感じました。
ただ、ミツやツギ、テンダネス門司港こがね村店の人たちがいれば、再起できる安心感のある暖かなコンビニ物語として描かれていてシリーズとしての安定した面白さがありましたね。
前編 ヒーローになりたかった男
至極真面目にヒーローに憧れを抱き、今なおその夢を諦めきれない男がテンダネスのマスコットキャラクターのアル・パカッションの「中の人」をやることになる。アルバイトの高木の友人であり、真面目な好青年として描かれており好感を持てたし何やら過去に高木を救ったというエピソードも。舞人というキャラが実直に描かれていて良い滑り出しでしたね。
後編 ぼくたちの友情と、ヒーロー
舞人と高木の出会い、友情、そして数年越しの感謝を伝える回。舞人の学生時代、今よりも純真で猪突猛進な性格だったけど、腐ることなく真っ直ぐと突き進んでいたからこそ高木の家庭問題にも突っ込んでいけて、まさに高木にとってのヒーローとなっていたのが格好良すぎましたね。こういう男の友情ものは大好きなのでとても良かったです。
前巻から続いていたミツに取り憑いていた悪霊問題も解決し、一男の情報も結構厚めに出てきましたね!煩悩まみれってどれくらいなんだ...シリーズの次巻もとても楽しみです!気になった方は是非本作と合わせて前作も読んでみてください〜。前作の感想も書いておりますので、気になった方は是非見てみてください〜!
