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【感想】有栖川有栖『ブラジル蝶の謎』(講談社文庫)

有栖川有栖『ブラジル蝶の謎』(講談社文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

有栖川有栖『ブラジル蝶の謎』(講談社文庫)

用途不明の鍵、自ら歩いて崖から落ちたように見える足跡など、珠玉の論理で彩られた傑作ミステリの短編集

あらすじ

美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を説く「鍵」など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリ全6篇。読者待望の〈国名シリーズ〉第3弾!

ブラジル蝶の謎 / 有栖川有栖【著】 <電子版> - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア から引用

しっかりと本格ミステリしていて安定の面白さといった感じでした。短編集でどれも粒揃いではあるのですが、長編と比べるとやはり少しの物足りなさは感じてしまうものの、火村の格好良さなどは健在でシリーズとして楽しむことができましたね!

ブラジル蝶の謎

壁にかけられた蝶の標本が何故か天井に移されている。想像すると苦手な人からするとゾッとするような光景に見えそうですね、目も惹かれますよ。

そして一つの些細な違和感から推理を広げて、天井に蝶の標本が移されたという部分にもしっかりと言及して解き明かしていたのは凄いと思いました。最後の火村の闇は相変わらず本作でも少しも明かされなかったですね。

妄想日記

被害者が殺されたホワイダニットについては何となく見えていたものの、灯油をかけて死体が燃やされたところのオチまでは少々バカミスっぽさがあるものの途中の豆知識的な部分は被害者がよく知っていたなと思いましたね。被害者の精神状態と行動が中々結びつきませんでしたが、精神障害のあるあの状態だからこそ突飛な行動をするんですかね。

彼女か彼か

タイトルを上手く絡めた作品でしたね、インタビュー形式のような形の書き方をとっていた部分にもしっかりとハマっていたのかなと思いました。解決編に関してはシンプルで分かりやすかったのも良かったですね。

貞操帯の鍵は流石に予測がつかなかったですね。事件の全貌に迫っていき、犯人も意外とポロッと出てきましたが、ここで当てるのはあくまで何の鍵かということ。年の差問題が意外とカギになっていたのかは少々首を捻るところではあるものの、予想外度合いは本作の中でも結構高めでした。

人喰いの滝

THE・王道の「まるで崖に誘われるかのような足取りで被害者の足跡のみが地面にある」という状況、トリックも見事に奇抜なもので本格ミステリとしての面白さに溢れた良い短編だった気がします。個人的には本作で一番好きなミステリかも。

蝶々がはばたく

最後のトリックは流石に分からなかったですねー、もう少し大掛かりなトリックが仕掛けられている雰囲気もあったのですが、一つの偶然に助けられたお話だったのも良かった気がします。(当時の時流的に阪神淡路大震災があった時と重なっているんですね)そして意外と35年経とうとも分かるものなんですね、私も蟹が食べたいよ。

 

蝶で始まり蝶で終わる国名シリーズ3作目で、作家アリスシリーズでは6作目の本作。短編集で長編と違って手軽に読める面白さと火村とアリスの二人のコンビがいつも通りの活躍を見せてくれるのでシリーズ好きな方にはオススメできます!気になった方は是非読んでみてください〜。また以前のシリーズの感想も書いておりますので、併せて読んでみていただけると幸いです。

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