知念実希人『優しい死神の飼い方』(光文社文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
知念実希人『優しい死神の飼い方』(光文社文庫)
死神の力で過去の未練を解決する犬のレオ「死神」シリーズの1作目。
あらすじ
犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷……もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間 を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた――。天然キャラの死神の奮闘と人間との交 流に、心温まるハートフルミステリー。
優しい死神の飼い方 - 光文社 から引用
とても優しく心が暖かくなるような作品でした。不治の病により余命わずかな人間がホスピスで、死神のレオと共に様々な過去の未練を解決していき、そしてレオも死神という頂上的な存在から人間に寄り添った精神的成長も果たし、結末的にはハッピーエンドとはいかないものの前を向いて歩いていけるような切なさと爽快感のある終わり方となっていたのも読後感がとても良かったですね。
死神のレオは犬の姿を借りていることもあり、犬の習性などに逆らえない部分やシュークリームが好きなところなど死神然とした部分とは別にチャーミングなポイントもあり、レオの懸命に頑張る姿に心打たれてしまいました。
序盤から解決していくホスピスの患者の物語である、戦時中に経験した悲恋を後悔する老人、殺人事件の冤罪を引きずる男、画家としての色彩を失った若者などの一つ一つが感動的なものになっているのですが、そこから終盤に主要人物であった菜穂の物語になっていき、明かされる衝撃の展開とレオの懸命な姿が、作中のほんわかするやりとりがあったからこそ、結末が最高の物語になっておりましたね...実は全てが繋がっており、点と点が結び合って線になる構成は圧巻でした。
知念さんの作品の中でも、特に感動と暖かさのあるシリーズだと思います!暖かみや、どうしても死というテーマが関わるので重めな物語になっていますが、そこもしっかりと物語的に反映された面白い作品となっており、万人にオススメしやすい内容となっております。気になった方は本作も是非読んでみてください〜。
