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【感想】澤村伊智『ずうのめ人形』(角川ホラー文庫)

澤村伊智『ずうのめ人形』(角川ホラー文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

澤村伊智『ずうのめ人形』(角川ホラー文庫)

呪いから始まる過去の凄惨な実話、野崎と真琴が探る中で美晴の死因も明らかになる

あらすじ

不審死を遂げたライターが遺した謎の原稿。オカルト雑誌で働く藤間は後輩の岩田からそれを託され、作中の都市伝説「ずうのめ人形」に心惹かれていく。

そんな中「早く原稿を読み終えてくれ」と催促してきた岩田が、変死体となって発見される。その直後から、藤間の周辺に現れるようになった喪服の人形。

一連の事件と原稿との関連を疑った藤間は、先輩ライターの野崎と彼の婚約者である霊能者・比嘉真琴に助けを求めるが―!?

ずうのめ人形 / 澤村 伊智【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア から引用

本作もとても面白かったです、都市伝説が呪いとして伝染し、人形に殺される、そして実際にあったお話が元になっており、怪異的な怖さと人の怖さが合わさり終盤では次々と話が繋がることによる衝撃の結末が分かる面白さがありました!

 

序盤はライターの不審死、そしてとある都市伝説の原稿の存在から始まり、今回の主人公である野崎まで伝播していく「ずうのめ人形の思い出」という作中作が「期限は4日、顔が赤い糸で巻かれた日本人形に呪い殺される」の呪いに変わる怪異的怖さと、その作中作から呪いの解除方法を探るミステリ的な面白さの両立が良かったですね。

 

その中でも里穂という女の子を取り巻く環境や境遇にも同情するところはありますがそこから美晴が絡んでいき、そこで語られた里穂を中心とした物語の錯覚が徐々に明らかになっていく様は見事に上手く騙されましたね。そこから終盤にかけて呪いの解消という点では終わったものの死者の数と終わり方だけ見ればバットエンドとなっており、物語としての恐怖も最終盤で演出していた部分は恐怖を煽る終わり方として最上のものになっていたと思います。

 

前作と同じくらい面白かったですし、真琴の血縁関係にある人物の登場などシリーズものとしての因縁などもあり、ホラーとしての面白さは健在でした。ホラーの中にアクセントとしてミステリ要素も入って、物語としての楽しさもあるのでミステリ好きな人にも是非お勧めしたいですね。気になった方は本作も是非読んでみてください〜。またシリーズ前巻の感想も書いておりますので合わせて見ていただけると幸いです!

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