道尾秀介『花と流れ星』(幻冬舎文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
道尾秀介『花と流れ星』(幻冬舎文庫)
切なさと人の温かさ、そして人の死が関連するやるせなさを感じるホラー✖️ミステリ
あらすじ
死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛。凛にほのかな思いを寄せる、売れない作家道尾。三人のもとに、傷ついた心を持った人たちが訪れる。友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。自分のせいで孫を亡くした老人…。彼らには誰にも打ち明けられない秘密があった―。人生の光と影を集めた、心騒ぐ五篇。
花と流れ星 / 道尾 秀介【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア から引用
本作もしっかりと真備シリーズらしい切なさの中にやるせなさがあって、余韻の残る読後感のある短編集となっており、よりシリーズ内のキャラクターが少し鮮明になったように感じるような描写も多く、ホラー的な怖さもほんのりと残しつつあるミステリとなっており楽しむことができました!個人的には「流れ星のつくり方」と「花と氷」が残す余韻がとても秀逸で良い短編だと思いました。
流れ星のつくり方
両親の死の真相を知りたい少年が話す、事件当時のお話が軸となった短編。凛が寄り添うように聞き、事実を知った時のやるせなさと事件当時の状況があまりにも後悔がひしひしと感じられる内容となっており、終盤の展開も少年の状況を踏まえると最後まで何とも言えない余韻を残す良い短編でした。
モルグ街の奇術
タイトルにもある某作品のネタバレが若干含まれているようでした。ミステリらしさのある短編で、非合理や思わず疑ってしまうほどの不可性を持ったものにもなっておりましたが楽しめたのでヨシ。
オディ&デコ
子猫と子供同士の関係性を描いたお話、心霊要素も絡めることでた真備と道尾が上手く立ち回っていたのも良かったですね。意外と暖かな気持ちになる短編でした。
箱の中の隼
宗教関連の話でも短編らしく意外とあっさりと終わった。宗教的な部分のお話は意外とフィクション然とした部分と本当にありそうだなという境界みたいなところを感じさせてリアル系の怖さを上手く演出していました。巻き込まれ体質の道尾さんが心配になりますね。
花と氷
薪岡老人のが罪の意識に苛まれている姿と真備の行動がとても良かったのですが、薪岡老人ののことを思うとやるせなさすぎるし、真備と凛が、それぞれ妻と姉のことを引きずっているが故のやるせなさも合わせて感じられて余韻を残す終わり方となっていましたね...
本シリーズを見かけたり感想を書いたりするたびに新作をくれと願ってしまいますね。本作品以降でシリーズ新作が出ていないので、これから出ることに期待したいなと思います!気になった方は本作も是非読んでみてください〜。また前作の感想も書いておりますので合わせて見ていただけると幸いです!
