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【感想】歌野晶午『動く家の殺人』(講談社文庫)

歌野晶午『動く家の殺人』(講談社文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

歌野晶午『動く家の殺人』(講談社文庫)

タイトルと見取り図の関連性はあまりないような...信濃譲二の退場作

あらすじ

名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。6年前の稽古中の死亡事故と関係が? 信濃が命をかけて謎解きに挑む、傑作本格推理第3弾。

『新装版 動く家の殺人』(歌野 晶午)|講談社 から引用

信濃譲二シリーズの本編としては完結作かつ信濃譲二の退場作。本作が出た後に信濃譲二の短編集が出ており、それでシリーズは最後ですね。

事件発生までは信濃譲二の視点から描かれる小劇団の講演と人間模様が描写されてどことなく語り手に対する違和感などを感じながら、結局のところトリックらしいトリックというよりホワイダニット的な部分で明かされた部分は中々微妙でしたね。

結局「動く家」という部分も作中で上手く絡み合っているようにも感じなかったのでミスリードと最後に明かされる叙述トリックが本作のキモであったが、面白さとして上手く跳ねることはなかったかな...残念...

 

終盤で明かされる劇団に関わっていた語り手である信濃譲二が偽物で、信濃譲二が最後に謎を颯爽と解決していきますが、そこからの退場は彼らしい終わり方で、有終の美ではないけれども信濃譲二らしいシリーズとしては良い締めだったかなと思います。(本編内での信濃譲二の描写や行動が結構露骨に違和感ありましたね...)

 

探偵ポジションとしては意外と嫌いじゃなかった信濃譲二ですが、彼らしい退場の仕方で本作で描かれたシリーズとしての終わり方は個人的には好みでした。後は本シリーズを追っていると歌野さんのミステリ書きとしてのデビュー作からの成長を通した変遷を感じられてその点も結構良いですね。気になった方は是非本作と合わせて前作も読んでみてください〜。前作の感想も書いておりますので、気になった方は是非見てみてください〜!

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