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【感想】櫻井とりお『虹いろ図書館のへびおとこ』(河出文庫)

櫻井とりお『虹いろ図書館のへびおとこ』(河出文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

櫻井とりお『虹いろ図書館のへびおとこ』(河出文庫)

主人公のほのかが図書館で個性的でどこか暖かな大人や少年と出会う、シリーズ一作目。

あらすじ

いじめがきっかけで学校に行けなくなった、小学6年生の火村ほのか。居場所を探してたどりついた古い図書館で、体の半分が緑色の司書イヌガミさん、謎の少年スタビンズ君、そしてたくさんの本に出会い、ほのかの世界は少しずつ動き出す! シリーズ累計7万部、「虹いろ図書館」シリーズ、はじまりの物語。

虹いろ図書館のへびおとこ :櫻井 とりお|河出書房新社 から引用

とても面白かったですね、児童向けの文学小説とは思えないくらいに大人でも楽しめる作品でした!手に取ったきっかけは書店で新刊コーナーに河出文庫らしくない(良い意味で)表紙の小説があると思って、手に取りました。所謂"暖かみのある"内容の小説として期待して買ったのですが、見事に大人が読んでも感じいるものと暖かみのあるだけで終わらない内容の物語があり、かなり良かったです。

 

序盤のほのかのいじめられたという事実が遅効性の毒のように効いて精神が磨耗していく様子や家族に心配をかけまいとする健気な姿などが、フィクションながらに切実に伝わってきて辛かったし、父親の会社での姿を目撃するなど追い打ちをかけるように辛い現実がほのかには襲ってきたはずなのに、図書館でスタビンズ君やイヌガミさんなど個性的ながらも人を想いやる暖かさを持った人々と共に図書館にまつわる行動を起こすうちに精神的に成長していった様子は成長物語としてもとても良かったですね。

少女から少しずつ殻を破り幼いながらにも恋心の自覚、同じ事物に対しても同情からくるものか、果たしてそれが正しいのかなど自分自身も考えさせられるものがあり、少しだけ小学生から大人になって、図書館という道からそれぞれが歩き出した後のほのかも結果的に少しビターエンドを感じさせる終わり方にはなっておりましたが、少年少女はこうやって成長していくものだな、と自分ごとのように感じてしまう内容で読ませる内容になっていたと思います!

 

どうやら本作は「虹いろ図書館」というシリーズの作品で、次々と河出文庫から文庫化されている模様。購入した当初よりも予想以上にこの作品の虜となってしまったので次回作も文庫化しているので、読んでみたいと思います!どういう人にオススメしやすいかと聞かれると中々難しいのですが、個人的には年齢問わず万人に読んでほしいような作品だったのかなとも感じました。気になった方は是非本作も読んでみてください〜。