横関大『再会』(講談社文庫)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
横関大『再会』(講談社文庫)
タイムカプセルの拳銃がキーとなる殺人事件を追う物語、江戸川乱歩賞受賞作。
あらすじ
小学校卒業の直前、悲しい記憶とともに拳銃をタイムカプセルに封じ込めた幼なじみ四人組。23年後、各々の道を歩んでいた彼らはある殺人事件をきっかけに再会する。わかっていることは一つだけ。四人の中に、拳銃を掘り出した人間がいる。繋がった過去と現在の事件の真相とは。
安定して面白かったですね、読みやすさはこの頃から既に健在で、物語自体も上手く終盤にあっと驚く展開をいくつも残して明かされる衝撃の展開のある構成は良かったです。それぞれが辛い過去を抱える中で、起きる幼少期にタイムカプセルに埋めたと思われる拳銃で起きた射殺事件、その過去や殺人事件を追っていく中で、明かされる結末は派手なトリックはないけれども、しっかりと二転三転させるオチが用意されており面白かったですね。
単純な事件の構造に見えて、その実いくつかの因縁も絡み合い決してハッピーエンドとはいかない何処かやるせなさを覚える終わり方なのですが、そこもこの物語の雰囲気作りに一役買っていたと思いますね、南良刑事も殺人事件を追う一介の刑事という役柄だけでなく、しっかり今回のきっかけとなった過去にも絡み合って終盤に帰結していたのも個人的には良かったです。
突出した面白さはないものの横関大さんの安定した文体とストーリーテリングが光る一作だったし、デビュー作とは思えないくらい安定した出来栄えでしたね。もし横関大さんの作品をオススメするとしたら他の代表作を何作か読んだ後にオススメしたいような原点を感じさせる作品だったなと思います!気になった方は是非本作も読んでみてください〜。
