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【感想】有栖川有栖『スウェーデン館の謎』(講談社文庫)

有栖川有栖『スウェーデン館の謎』(講談社文庫)の感想になります。

※ネタバレを含みます※

有栖川有栖『スウェーデン館の謎』(講談社文庫)

絵本作家の夫とスウェーデン出身の妻が住まう館にて殺人事件が発生、火村と有栖のコンビが解決していく

あらすじ

ミステリ作家・有栖川有栖が取材で訪れた雪深い裏磐梯(うらばんだい)には、地元の人々からスウェーデン館と異名をとるログハウスがあった。彼は珍客として歓待されるが、深い悲しみを湛えた殺人事件に遭遇する――。

有栖と犯罪臨床学者・火村英生の絶妙コンビが、足跡のない殺人事件に挑戦!大好評〈国名シリーズ〉の第2弾!

『スウェーデン館の謎』(有栖川 有栖)|講談社 から引用

あとがきにて、元々短編の予定だったものが長編になったとのことからスッキリとした構成にもなっており、比較的読みやすく舞台設定も本格ミステリらしいオーソドックスなものになっており、いつもの火村&有栖コンビの活躍を見ることができて満足でした。

 

雪上に第一発見者と被害者が離れに行った足跡しかないという王道中の王道をいくようなミステリ、そして半分以上が有栖が現地において被害者の周辺人物と関わり、親しくなったが故に犯人であってほしくないと思った人こそが犯人であるという一種の悲恋的な終わり方をしており、そこもベタでしたね。作家アリスシリーズだからこそできる王道的な物語で良かったと思います。

 

火村の参戦自体も物語の中盤以降からとなり、それまでは有栖が現地でヴェロニカたちと関わり、心理描写なども多く舞台設定を有栖の心情側に寄せたことで古典的な物語の運びになっていたのも面白かったかなと思います。

トリック自体は伏線らしい伏線もあるし、今ある材料で推理できるものが殆どで新鮮味がないが逆に清々しいくらい王道的な推理パートの演出で、読みたかったやつ読めているという気持ちになって嬉しくなりました。

 

国名シリーズ2作目で、作家アリスシリーズでは5作目の本作。長編の中でも読みやすくミステリらしい作品となっており、シリーズを追っている人で読んでいない人が是非オススメしたい一作となります、気になった方は是非読んでみてください〜。