町田そのこ『コンビニ兄弟3―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮文庫nex)の感想になります。
※ネタバレを含みます※
町田そのこ『コンビニ兄弟3―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮文庫nex)
彼ら、彼女らが過ごす日常の失敗や後悔に寄り添い合い元気がもらえる物語。
あらすじ
推しが門司港にやってくる!? コンビニ店員中尾はアイドルの来訪に歓喜するが、彼には深刻な悩みがあった。故郷を遠く離れ、ホームシックに陥った専業主婦の佳織は、男を豪快に振るド派手な女性に出会う。かつてツギを深く傷つけた魔性の女の要求は「偽装恋愛」で……。北九州門司港の小さなコンビニを舞台に、大人たちの物語が幕を上げる。元気がもらえる大人気シリーズ第三弾。
「コンビニ兄弟」シリーズ3作目、シリーズものとしては安定していた。失敗や後悔の中に、一筋の救いや再起を入れてくれることで温かみのある励ましの物語ともなっており、個人的にとても好きです。シリーズを通して登場するキャラたちが志波家意外にもしっかりと登場して、それぞれの人生の一幕を覗いているようで良いです。
"コンビニを舞台"感はあまりなくなってきたのは少し残念ですが、物語の大筋みたいな部分は共通しているので、まだ楽しめているかなと思います。
推しが門司港を熱くする
一作目で出てきた光莉さん視点のお話。三次元アイドルも良いよね、私も妻の影響で某Jアイドルを推しておりライブとかにもよく行っているので多少なりとも推しがいるという気持ちは分かります。自分の中の個性に悩む采原、前巻でも似たような話がありましたが、アイドルとしての強みって難しい話ですよね、甘栗からヤンキーになるアイドルもいますから。自分の個性を磨く方向で伸び伸びとやってほしいですね。推しが推しを推してる光景、良いです(ゲシュタルト崩壊)
ハロー、フレンズ
結婚を機に地元を離れてホームシックになっている女性の話。ひょんなことから友人になった女性と悩んでいるという状況について話、ツギや樹恵流も巻き込んで答えを見つけていく流れは本シリーズらしい暖かいお話でしたね。
悲しい時はネガティブになるので怒ってポジティブになるという信条も分かる、そうやって自分自身の思考になかったものを出会いによって視野が広がる感覚の積み重ねと相手との会話で人の輪が近しい人も新しい人とも広がっていく良さがありました。一面的じゃなくて多面的に見ることを心がけていきたいなぁ。
華に嵐
太郎と魔性の女の様相だった華のお話。前巻の終わりでは悪女のような感じでしたが、物語が進んでいくうちに、どうしようもない現実が積もった結果というのが亀裂となってしまったのよなぁ...やるせない...
結構オチとしては全員が善人だったからこそ、ツギや華も前を向けて太郎の恋路も応援したくなりました。前巻での"一度の失敗"というのに通じる話なのかなとも思いますね。
終盤は急に幽霊をナンパするミツの話が差し込まれたりと、もうあの色気の化け物は何でもありだな。ミツ自体の活躍が少なく最近はツギさんの力の強さを感じておりますが、シリーズものとしては安定した面白さを感じた3作目でした。気になった方は是非本作と合わせて前作も読んでみてください〜。前作の感想も書いておりますので、気になった方は是非見てみてください〜!
