※ネタバレを含みます※
死んだ恋人の指を持ち歩き、病的な主人公が生きる果てを描く物語
あらすじ
恋人の美紀の事故死を周囲に隠しながら、彼女は今でも生きていると、その幸福を語り続ける男。彼の手元には、黒いビニールに包まれた謎の瓶があった──。
それは純愛か、狂気か。喪失感と行き場のない怒りに覆われた青春を、悲しみに抵抗する「虚言癖」の青年のうちに描き、圧倒的な衝撃と賞賛を集めた野間文芸新人賞受賞作。若き芥川賞・大江健三郎賞受賞作家の初期決定的代表作。
『遮光』 中村文則 | 新潮社 から引用
いつもはミステリを主として読む自分が珍しく本作を読んでみました。というのも数少ない友人のオススメいただいて読みました。結構自分の中で明確な評価を下すのが難しい作品だなと感じております。
ただ仄暗さややり場のない暗い感情を物語と共に寄り添うことで昇華できる一作にもなっていると感じました。
文章や本作の物語を以て主人公を追想していくからか、狂人らしさを直に感じてしまいますが、自分にとっての苦しみや彼女への気持ちなどは衝撃の最後を見るにより本物に近い感情を描ききれていた部分は良かったのかなと思いました。
本作を自分に重ねて理解を拒むか、救いを求めるかでまた一つ評価点としては変わってきそうだなとも感じており、その点個人的には彼の人生を表現した物語の一部を垣間見ているという感想でしかなく、一つの愛情の行き着く先と主人公の個性が合わさった読ませる作品だったように感じます。
中々感想自体の表現が難しく、個人的にはハマらなかった一作ですが物語として最後まで読ませる凄みはあった作品で、短いボリュームの中で描き切った部分も凄いと思いました。
ボリューム自体は少ないので読みやすくはあるのですが、万人受けする内容かと言われるとそうではなく、寧ろ人を選ぶ内容となっているので中々初心者にはオススメしづらい内容となっております。中村文則さんの他の作品はまだ読んだことがないので、これを機に他の作品も読んでみたいと思います。
気になった方は是非読んでみてください〜。
